1830年代発祥の古典写真プリントを体験してきました

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田村写真さんでソルトプリントのワークショップを受けてきたので軽くレポート。田村さんには湿板をはじめとした古典技法でいつもお世話になっています。

ソルトプリントは極めて初期の写真印画法で、1830年代にタルボットによって発明されました。塩と硝酸銀を材料とした塩化銀ベースの印画法です。

出来上がりはとても素晴らしい!トーンの出方もよく、やや淡い色合いにはなるものの非常に雰囲気のある絵になります。近代的なバライタペーパーやRCペーパーもいいですが、紙の質感をしっかり楽しめる印画法も素晴らしいですね。

ワークショップでは各種薬品は準備されており、プロセスを体験していくことになります。具体的な処方も教えてもらいましたが、これは実際にワークショップで体験してもらったほうがいいので流れだけの解説にします。

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まず、最初にやることは印画紙の準備。最終的には感光性を持つので、作業は暗室で行います。紙に塗る薬品は二種類。

ひとつめは水にゼラチンと塩化アンモニウムを混ぜたもの。これをハケで均等に塗っていきます。これがなかなか難しい!1枚目は薄いパルプペーパーを使ったのですが、塗っていくとどんどんシワになっていくのでムラができてしまう。慣れたらうまくいくんでしょうが、さすがに最初からうまくはいかないですね。

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回転する台に乗せて、まずは一方向に塗り端まで行ったら90度回転させてまた塗ります。終わったらドライヤーで乾燥。

乾燥したら次に硝酸銀溶液を紙に塗っていきます。これにより、感光性をもつ塩化銀が塗られた印画紙ができます。硝酸銀を塗り終わったらドライヤーで乾燥させます。

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紙はキャンソンのクロブアート。ほかにコットンペーパーでも1枚プリントしました。作業のしやすさでは厚みのあるコットンペーパーのほうが良いですが仕上がりはこの紙のほうが好きかも。

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印画紙が準備できたら次はネガを使って露光。密着焼きをすることが多い技法ですが、今回はブローニーネガからの引き伸ばしでやりました。引き伸ばし機の光源を大出力のLEDライトに取り換えると古典技法でも引き延ばしができるとの事。

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露光は30分から1時間。露光が終わった時点で絵は出てきており、露光中の調整は実際の焼き具合を見ながら行います。これは面白いですね。(この紙はコットンペーパー)

露光後はしっかり水洗したあと、塩化金を使って調色。その後さらに水洗、最終的にチオ硫酸ナトリウムで定着します。

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最終工程までいくと、露光時よりは少し明るくなります。ここでの色合いは調色の度合いや、塗る塩の種類で変わるとのこと。

定着後は水洗促進剤に入れたあと、水洗して乾燥。このあたりは普通の印画紙と同じですね。

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乾燥したら蜜蝋のワックスがけ。正直これが一番難しくて大変でした。湿板もそうですが、仕上げプロセスがシビアですね。でも最終的にはどうにかなりました。

便利なスマホやデジタルカメラもいいですが、こういった初期の技法も面白い。ワークショップは田村写真さんで定期的にやっているのでぜひ体験してもらいたいですね。

アンティーク風加工もいいですが、本物の古典技法を知って使うとまた味わいがあると思います。

 

 

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